『俺、零と……別れます。』


俺の言葉は静かな調理室に響いた



「朝倉先生………??」


水谷先生に呼ばれ俺は振り向いた



「私は止めませんよ?

朝倉先生がそうしたほうがいいと思うならそれでいいと思います。


でも後悔だけはしないでくださいね」


ニコッと俺に微笑みかけた水谷先生



『水谷先生なら…どうしますか?』


俺の問いに水谷先生は眉間にシワを寄せる


「私もきっと…同じことを考えたと思います

まあその立場になってみないと分かりませんけど…



でも朝倉先生の判断はきっと正しいと思いますよ」



俺は水谷先生のこの一言に救われた。


水谷先生の言葉がなかったら、まだ迷ったままだったかもしれない



いや…今もまだ迷ってる


でも俺は決めたんだ…。


零に会ってしまったら決意なんて揺らぐかもしれない


ダメだ………。


俺…めっちゃ弱いな。


こんなこと考えてるなんてさ…



もう揺らがない…と思う。




なんて考えていたらもう零のマンションが目の前