「で、どういうことですか?!」


調理室に着くやいなや
水谷先生はイスに深く腰をかけ俺に迫る



『えーっと……。

夏休みに入ってからメールも電話も最低限なんです。
というか俺からしかやらないんですよ…。


会いたくなったり
淋しくなったらいつでも言え。

って俺は零に伝えたんだけど、
どうも俺に気を遣ってるみたいなんですよ』



廊下で考えた言葉を並べる俺。


水谷先生は目をパチクリさせて驚いている



「それは…ヤバイですね」


静かに呟いた水谷先生。



『やっぱりヤバイですよね』


俺も静かに呟く。


「はい…やっぱりヤバイです」


また呟いた水谷先生


その水谷先生の声が何度も繰り返される



やっぱり俺は………



『水谷先生………。』



「はい………??」



水谷先生は俺のほうに顔を向ける



『俺、零と……別れます。』


俺の一言は調理室の中に響いた