『メール…来ないんですよ…。』


もう夏休みも半ばにさしかかってきた


隣でキーボードを夢中で叩いている水谷先生に声をかける



「そうなんですかぁ~」


水谷先生はパソコンの画面を見つめたまま



『電話も来ないんですよ…。』


そんな水谷先生にまた話しかける俺


とにかく誰かに言いたかった。


聞いていなくても言葉にすることで俺の溜まった何かがなくなっていく気がした



「そうですかぁ~」


水谷先生は俺の話を聞き流している感じだ



『夏休み…一回も会ってないんですよ。』


俺はこの言葉を最後に自分の仕事を再開する


「そうですかぁ~…?!

ちょ!ちょっと待って下さいよ!!」


今までパソコンの画面を見つめていた水谷先生が顔を上げた


「それ、どういうことですか?!

詳しく説明してくださいよ」


食い入るように俺を見つめる水谷先生



職員室ではなんだから…と言うことになり調理室に向かう



調理室までの廊下でも水谷先生は

「どういうことなんですか?!」

と連呼していた



最初は俺の話を流していたくせに…


なんて思いながらも俺はなんて説明しようかと

言葉を考えていた