俺は机に肘をつき目を瞑って零が来るのを待った。


時計の針が動く音だけが調理室に響く。



どうしようもなく、不安だった。


根拠なんてないけど零は来てくれる、


そう信じて俺は1ヶ月、過ごしてきた。


でもここまで来て、諦めかけている俺がいる。



”諦めたらそこで終わり”


昨日の夜、大和からメールがきた。

たった一言、それだけしか書いていなかったけど不思議と勇気が湧いてきた。


生徒に勇気もらうって変な気がするけどな。



そのとき、



【コツ コツ コツ】


誰かがこっちに歩いてくるような音が聞こえた。



手が足が震え出す。


もしかしたら…。


そう思うとドキドキと胸が鳴る。



零じゃなかったら、



どうしよう………。