「じゃね、先生!!」



最後に俺のところにいた生徒も帰って行った。


時計を見ると、解散してから20分も経っていた。



『ヤバイ!!』


俺は教室を飛び出した。



どうしようか…。


もし零が調理室に俺より先に行っていて、


俺がいないから帰ってしまった。


なんてことになっていたら…。


俺は今までにないくらいの速さで走った。



【ガラッ】


念のため調理室に鍵をかけていなかった。



だから、もしかしたら、零が先にきていたら、調理室の中にいるかもしれない。



そんな淡い期待を胸に、ドアを開けた。



『………………………』



でも、そこに零の姿はなかった。



やっぱり…零は来ないのか…。