『1ヶ月後の卒業式。
卒業式の後…………』
ここで一度俺は言葉を切った。
このドキドキが零に聞こえているんじゃないか、
そう心配になるくらい俺の鼓動は激しく打っていた。
俺は気持ちを落ち着けるためにまた深呼吸をした。
『卒業式の後、調理室で、
調理室で待ってるから…。
お前が来るまでずっと待ってるから。』
零。
もしお前が調理室に来てくれたら、
このどうしようもないくらいでかくなってしまったお前への愛を言葉にして伝えるから。
来てくれなかったら、
……………どうしようか。
やっぱりそんなこと考えない。
お前が来てくれること、願ってる。
ずっと、待ってるから。
俺は零の返事を聞く前に
『じゃあまた、卒業式でな。』
と、言って車を発進させた。
ごめん、零。
困らすようなこと言ってごめん。
でも俺は、
やっぱり俺は、
零が、
零のことが、
好きなんだ。