『落ち着いたか…??』


泣き止んだ零は俺からゆっくりと離れた。


本当はずっと抱きしめていたかったけどな。



「ごめんね…先生。」


急に申し訳なさそうになる零。


もしかして泣いたこと、謝ってるのか??



『なんで謝るんだよ…??』





「だって…スーツが…」


零は俺の着ているスーツを指す。


ゆっくりと視線をおろしていくと…


『うわぁ…。やってくれたな…。』



俺のスーツは零の涙によってぐしゃぐしゃになっていた。



「えへへ。ごめんなさい。」


照れたように笑いながら謝る零。


別にクリーニングに出せば済む話だし、

それに


『零が無事だっただし、

いいよ、全然。』



お前が元気でいてくれればそれでいい。