「ねぇせんせー!!

せんせーって彼女いる?」


やっと泣きやんだ西城は洗い物をしながら俺に聞く。



藍葉に聞かれたときは答えなかった。

だけど西城には知っていてもらいたい。


『ん―そうだな……。


西城を信じて言うけど彼女はいねぇよ

誰にも言うなよ??』


気のせいかもしれないがどことなく西城は嬉しそう。



そんな西城の顔を見て俺のテンションは鰻登り。



俺って単純バカだよな…


こんなことで喜んじゃってさ…。



今…急に不安になった


嬉しすぎて顔に出ていないか、ってことが。



俺はそんな不安をかき消すように学生時代の話をした。



西城は声をあげて笑っている。



さっきまで泣いていたはずなのに今は満面の笑み。



うん…。



よかったよ……。



西城が笑顔になってくれて…。



「じゃねっ!せんせっ!!」


藍葉が西城を向かえに来た。


そして2人は仲良さそうに調理室を出て行った…