「朝倉先生、朝倉先生。


至急、保健室へおこしください。」



調理室で俯いていると放送がかかった。



この声は先生だ。



俺は急いで調理室を飛び出た。




『先生!!!』


思い切り扉を開けた俺。



先生は相変わらず優しい笑みを浮かべている。



「秋平くん?


落ち着きなさい。


西城さんね、ずっと先生、って呼んでるの。



きっと秋平くんのことを呼んでるんだわ。


西城さんの近くにいてあげなさい。」



先生は俺の肩にポン、と手を置いた。



『でも、俺………。』


こんな俺が零の傍にいるのはダメだ。



今の俺じゃ、零のなんの役にも立てない。



そんな俺が零の傍にいるなんていけないんだ…。