「どっか行った、って言っても学校にはいるワケだよ。


だって零と垣本の鞄は教室にあったから。



けど、2人の姿が見えないのよ……。」



そこで藍葉は初めて座った。



ただし、床の上に。



座った、という表現より


崩れ落ちた、という表現があっているかもしれない。



「実は、ある噂を聞いたことあるんだ。


垣本…








…零のこと、好きらしい。」



俺は藍葉の言葉を聞いた瞬間、調理室を飛び出した。



いてもたってもいられない、とはこういうことなんだろう。


気づいたら体が勝手に動いていた。



後ろから藍葉の声が聞こえた気がした。



でも、今はお前にかまってられない。



夢での零の涙が頭に思い浮かんだ。




零、どこにいるんだ……。