「卒業式の練習、終わったみたいですね。」


外が騒がしくなる。


それに気が付いた水谷先生がこっそり耳打ち。



そんなこと、言わなくても分かりますよ。



『そうですね。


ちょっと、用事あるんで調理室行ってきます。』


俺はそう言って職員室を出た。


本当は調理室に用なんてない。



ただ、水谷先生から逃げただけ。


あの人は容赦、ないから。



調理室に着いた俺はイスを並べる。



なぜか、って……??


そんなの決まってるじゃないか。



昼寝、するため。


寝るなってか…??


そんなの無理だ。


別に眠いワケじゃない。


ただ、寝れば何も考えなくてすむだろ??


零が俺の近くにいると思うだけで、どうしようもなくドキドキする。


まだ零のこと好きなんだよ、俺は。



フラれたのに、



会えないのに、



日に日に


”好き”


が増していく。



もう、俺の気持ちは









誰にも止められなくなっている。