『なんで…??』


俺は小さな声で呟いた。


しかも俯いて。




「先生??私、帰らなきゃ…。


だから、手離して??」


零が迷惑していると分かっていたのに



『ヤダ…絶対離さない。』



腕を離すことができなかった。




「ヤダとかじゃなくて…。


どうしたの?

先生、おかいよ…??」





『だーっ!もう無理!!』


俺は顔を上げて叫んだ。



自分でも何をしたいのか分からなかった。



どうして零を離すことができないのか分からなかった。