それから他愛もない話をしていた。



1番最初の調理実習のときに大和に睨まれてたなんて知らなかった。



正直、そこまで話した内容は覚えていない。


ずっと零が気になっていた。



俺のくだらない、つまらない話でも笑っていて、


そこまで楽しくもないのに、大笑いしている零。



そんな零が気になって仕方なかった。



そして時間は過ぎていった。



「じゃあまた、卒業式にね!!」


と、言ってまた笑う零。



もう俺は自分の気持ちを抑えることができなかった。





『………なんで…無理して笑うんだよ。』


零に聞こえるように言ったのに振り向こうとしない零。



知らないフリをしようってか…??



「…………先生??」



どうしても、



どうしても、



耐えられなくなった俺は帰ろうとした零の腕を掴んだ。