『俺…もう分かんねぇや』


俺はそう呟いてため息をもらす。



『へ?何がですか??』


浩介に見つめられる。



うん、格好良すぎて男の俺がドキドキするぜ…。



『お前の妹 零が…な…?


泣いたってなんで泣くんだよ?


はぁ~教師になんかなるんじゃなかった…。』


教師としてお前に出会わなければ、
俺だって零だってこんなにも苦しまなくて済んだだろ??



『俺…零と先輩ならうまく行く気がします』



そう言って浩介は微笑んだ。



何を根拠にそんなことを言うんだ…?



『でも今こんな状態だぞ??』


最悪のマイナス思考の俺ですが…?


『こんな状態でもきっと大丈夫ですよ』


浩介はそう言ってまた笑う。



なんで笑えるんだよー…。



『どうだかなぁ~』


と、俺が呟くとゴソゴソと動きだした浩介。


『ん?もう帰んの??』



『零が心配するといけないんで。』


なんて妹想いの兄貴なんだ。



俺はそんなことを思いながら玄関まで浩介を送る。



『じゃあまた学校でな。』


俺はそう言って浩介の肩に手を置いた。



『零のこと…よろしくお願いします。』


最後にそれだけ言った浩介はドアを開けて帰って行った。