そんなことを思い出していた俺は
空想から現実へ戻ってきた。


そして

『お前は…兄貴としてはどう思う?』

と、聞いた。


浩介は反対するのか…??



『何がどう思うんですか?』



『自分の妹と教師が付き合うっていうのはさ…。』


浩介は意味が分からないとでも言いたそうな顔だ。


それでも


『本当ならもっと安全な恋をしてほしい。


だけど好きになったらもう止められないものでしょ?


だから特に何も思いません。』


と、ちゃんと答えてくれた。



だから俺もちゃんと答えることにするよ。


『はぁ~正直に答えるよ…。




俺は零がまだ好きだ。


別れる前よりもずっと好きだ。



ただの未練がましい男なのさ…。』


俺は微笑んだ。


自分の未練がましさに腹が立つ。



どうして零が忘れられない…??


女なんてこの世にたくさんいるのに……。



『よかった。


その言葉が聞けただけでも今日ここに来てよかったです。』


浩介は優しく俺に笑顔を向ける。




何がよかったんだ…??



俺には浩介の言葉が不思議でたまらなかった。