『じゃあ準備が終わった班から作り始めろよ。』

いつのまにか2年D組の調理実習の時間。



『だからこれを入れるんだって…。』

俺が調理の手順を教えていると向こうのほうから聞こえる楽しそうな声。


俺の意識は完全にそっちに向いていた。


そこの班には西城零がいる。



そして西城零のことが好きであろう清水大和もいる。


なんで清水大和が西城零を好きだって分かったかって言うと…




…………分からない。


自分でもなんでそんなことを感じとったのか分からない。


ただ直感でそう思った。

そして西城零はきっと清水大和からのラブ光線に気がついていないであろう。



まあ俺にとってはありがたいことなんだけど…


俺は他の班を見回って最後に西城零がいる班に行った。



そして


『お―い!!

西城、藍葉、川北!
清水ばっかりにやらせてたらダメだろ?』


と、言った。



西城零たちのところに近づくにつれて、
清水大和の手慣れたフライパンさばきがよく見える。




『お―!清水上手いな!!』



口が勝手に動く。