「あのときは魔が差したの。


秋平が相手してくれなくて、淋しくて…。


そしたら丁度、告白されて、それで…。」



美希の口から聞かされた2年前の話の真実は


大和が言った通りだった。


でも、そんな話は聞きたくない。



あれはあれで俺の中じゃ解決した問題なんだ。



『もういいんだ。


俺はお前と…美希と友達でいたいんだ。



それ以上の関係にはなれない。


お前とはいい友達でいたい。』


俺は静かに呟いた。


美希はそのまま立ち上がった。



「秋平…ごめんね。」


美希はそう言って俺の前からいなくなった。



俺の部屋に


たくさんの酒の缶と



かすかに香る香水の匂いを残して…。