「今年も朝倉先生の隣でよかったです。

私って人見知りなんですよね…。」


と、言う水谷先生。


決して零の話に触れようとはしない。


まあ…当たり前って言ったら当たり前か。


『何言ってるんですか??


俺と初めて会ったときにお茶に誘ったクセに…。』


と、言って俺は水谷先生を睨む。


「あれ?そんなことありましたっけ。」

水谷先生は惚けたフリ。


ありました。


ありましたよ。


『忘れたふりしてもムダです。』


「いや、本気で忘れました。」


『ウソです。』


と、これを繰り返す俺たち。


周りからみたら変人だろうな。



でも俺は水谷先生に感謝してる。


このバカみたいな言い合いのおかげで零のことを考えずに済んだ。


うん。



これで、よかったんだ。