「まあまあ、落ち着いて下さいよ。


いいですか?内密な情報なんで誰にも洩らさないで下さいよ?」


水谷先生はそう前置きして一言言った。



「西城零には辛い過去があるみたいなんです…。」




『え……………………??』


思わず聞き返す俺。




「どんな過去があるかは教えてくれなかったんですけど…


西城零と同じ中学校の子が言ってました。」


水谷先生はそれだけ言って調理室を出て行った。




『辛い過去……か……』



俺は独り言を呟く。



西城零の哀しすぎる瞳の裏にはその過去のことがあるんだろう…



誰にも言えなくて、


独りで抱え込んでいるんだろ…??



なぁ…西城零…。



俺はお前の力になれるか分からない。


でも、できることならお前の背負い込んでいる重荷を少しでも軽くしてやりたい。



お前は何を悩んでいるんだ??


西城零…答えてくれよ……。