『だっさいな…俺。』


鏡を見て呟く俺。


目真っ赤に腫らして、
教室飛び出して…


まるで高校生じゃないか…。


俺は首を横に振るとトイレを出た。


『あー悪い。

じゃあ授業の続きするぞ』


何事もなかったかのように教室に入った。


黒板を書くためにみんなに背を向ける。


そうすると背中に感じるたくさんの視線。


鋭く突き刺さるような、そんな視線じゃなくて…



俺のことを心配するかのようなそんな視線。



やめてくれ…そんな目で俺を見るな。



『なんだ?お前ら………。』


耐えきれなくなった俺は動かしていた手を止めて振り返った。


でもみんな一斉に俺から視線を逸らす。


はぁ~……。


今、空気重すぎだぞ??


俺はまた黒板に向き合った。



【キーンコーンカーコン】


いつのまにか授業終了。



今日は一段と疲れたな、と思いながら零の教室を出た。


そのとき一瞬見えた零は俺を悲しそうな目で見つめていた……