「朝倉先生…今日、授業あるんですか??」


水谷先生の言葉に俺は深く頷いた。


「頑張って…ください。」


水谷先生は複雑そうな笑みを浮かべる。



『頑張りますよ。

それより…目の腫れと、この声…どうしましょう…』


学校に来て声を発して俺はあることに気がついた。



それは声が鼻声だと言うこと。


目が腫れて、鼻声って…


自分で泣きました。って言ってるようなものだろ…??


「とりあえず…保冷剤で目を冷やして…

鼻声は…どうしようもないですね。」


水谷先生は可哀想に、とでも言いたそうな顔だ。



『そんな顔しないでくださいよ。


なんか元気なくなるじゃないですか…』


俺は保冷剤を目に当てて、水谷先生に言う。



仕事をしながら俺のほうをチラチラと横目で見る水谷先生。


なんか…よけいに俺が哀れになるじゃないですか…



「朝倉先生こそ、そんな顔しないでください。


さっき、笑ってましたけど…

全然目が笑ってませんでしたよ??


無理して笑う必要なんてないんですから…




悲しいなら悲しい。


それでいいじゃないですか…」


水谷先生は最後に俺に微笑んで職員室を出て行った。



俺も職員室を出ていつものあの場所へ向かった。




零とのたくさんの思い出が残るあの場所へ…