『俺は零ちゃんの言ったことは本心なんかじゃねぇと思うんだ。



秋平のこと思って零ちゃんは別れようと思ったんだろ?


もし、俺が零ちゃんの立場だったらそうしたと思う。



なぁ…秋平??

お前だって気づいてたんだろ?


零ちゃんの言葉が本心じゃないことくらい……』

当たり前だろ……??



零が俺に背を向けた時点で、俺は気づいてたよ。


『俺、分かってたよ。


零が無理してたことくらい。



でも零が1人で悩んでだした答えだから…

俺は何も言えなかった。


いや…ただビビってただけかもしれない。


だから追いかけることもできなかったんだ




こんなださい男、教師としても男としても最悪なんだよ。


俺がもっと格好いい男になれたら、零を迎えに行くよ。』




近くにあった石を海に投げた。




ポチャンと静かな夜に響いた音。

ものすごく寂しい音に聞こえる。