『伊藤先生・・・??

今日、零に別れようって言われました。


僕は何もできなかったんです。

ただ零がなんでそんなことを言ったのか気になるんです。



・・・・・・教えてください』



俺の言葉に何を感じたのか、



『あのとき、西城も校長室の前にいました。


きっと先生に心配かけないように・・・

西城は別れという道を選んだんだと思います。』



やっぱり・・・零は校長室の前で話を聞いていたんだ。


『・・・・・・・・・伊藤先生、ありがとうございました。』


俺はそう言って電話を切った。



『やっぱり零に聞かれてたみたいだよ。


アイツ・・・誰に似たんか、我慢強かったり、

1人で抱え込んだりするクセがあるんだよな』



ふぅ~と息を吐き出した。


どうして俺は・・・零の不安に気づいてやれなかったんだろうか・・・



『なぁ・・・秋平。

お前は零ちゃんの言ったこと、どう思う??』



『どう思うって何がだよ??』


裕司はタバコの煙を吐き出した。