俺は車にもたれて最後のタバコに火を付けた。


【キィーー】


そうすると車の急ブレーキ音が聞こえた。


きっと…裕司だろうな…


『やっぱりここにいた。

ほら、見舞いだよ』


頭の上から降ってきたのはタバコの箱。



『さんきゅーな。』


俺はありがたくタバコを受け取る。



『俺にも1本ちょうだい。』


裕司は俺に手を差し出してきた


『お前、タバコやめたんじゃねぇの??』

俺が禁煙を始めたと同時に裕司も禁煙したはず。



『いいの、今吸いたい気分だし。』



新品のタバコの箱から勝手に取り出した裕司。


『お前さ…なんで別れたんだよ??』



なんで別れた…

って言われてもそんなこと知らねぇよ…。



『分かんねぇよ…』


分かんない。


なんでいきなり零はあんなことを言い出したのか。


『最近何があった??

全部、話してみ?』



裕司に促され、


俺は教頭たちに零との関係がバレそうになったこと、

そのときに廊下に零がいた可能性があること。


そして今日、重いと言われたこと、

ゆっくりと去って行った零を追いかけなかったこと。



裕司はただ黙って相槌を打ってくれていてくれた。