そして零にリビングに通された。

そのときに俺はあることに気づいた。



…エプロン、持ってくるの忘れた…。


バカだよな…俺。


自分のバカさに落ち込みながら顔を上げると…


目の前には零の料理たち。



誕生日のときよりも明らかに上手になった零の料理。


俺が素直な感想を漏らすと零は涙を流した。



零…その涙は嬉しくて流したものなのか??

それとも俺に申し訳なくて流したもの…??



それから食事をしながらたくさんの話をした。


学校でこんなことがあった、とか

このドラマがおもしろいとか…


楽しい時間とはどうしてこんなにも早く過ぎてしまうのだろう…

そう思わずにはいられないほど時間ははやく過ぎた。


ってかどうせ明日も学校で零と会うんだよな。


零のクラスはインフルエンザが流行ったときに半分くらい休んでしまった。

だから学級閉鎖になった。

学級閉鎖になったその日に俺の授業がたまたまあった。


そして明日、振り替えとして授業がある。

ったくめんどくせぇーよ。


俺は時計の針が10を指したとき立ち上がった。

いつもなら玄関先で別れるのに零は下まで見送ると言った。


俺は純粋に嬉しくて1人舞い上がっていた。


そのときの零のキモチなんか考えることもできずに…