『………水谷先生。


見つけましたよ…。』


俺は授業から戻った水谷先生に声をかける。



「えっ?!ホントですか??

何年何組の子なんですか?!」


目を輝かせる水谷先生。



俺はそんな水谷先生を見つめる。



『2年D組 西城零』

と、答えて


『はぁ~』


と、大きな溜め息を漏らす。



「2年生なんですか。

と、いうかなんで溜め息なんですか?」




『だって水谷先生おっしゃったじゃないですか。


”生徒に恋愛感情を持ち込んではいけない”って。


なのに俺はもう………』



また大きな溜め息をついた。



「そりゃあダメだとは思いますよ?

ですけど…恋愛は基本的に自由です。

想いを伝えるのも自由です。

どうしようと自分の自由です。


前も言いましたけど

”好きになっちゃったものは仕方ない”んですよ?


だからそんな顔しないでください!!」


ニコッと微笑む水谷先生が天使に見えた。



『ありがとうございます。水谷先生…』



俺は水谷先生にペコッと頭を下げた。