「 おねぇちゃん! 」


もう叫ぶしかなかった。
自分でもわからない
気がついたら叫んでいた。


あの二人は振り向いた。
私の姿をみて動けなくなっている。


やっぱり開智くんだった…。
見間違いではなかった。


「 どうして二人一緒にいるの? 」


私は
この言葉を伝えるのが
いっぱいいっぱいで
怒りとか
いろんな感情が今の私の中にあって
それをどう表現していいのかわからない。


「 ごめん、育望。 」


開智くんからの言葉。


「 ごめんって何?
その言葉の意味がわからない。 」


「 育望… あのね… 」


「 おねぇちゃんになんか聞いてないわよ。
なんで?
私のおねぇちゃんなの?

開智くんなんで?
明日バイト休みなんだよね?

休みだから、
おねぇちゃんと一緒にいるんだ。 」


二人ともというか
開智くんが答えないから


「 二人のことわからない。
私の大好きな人が開智くんって知ってたよね?
おねぇちゃん!
あっ、そっかぁ。
私バカみたい
二人は私のことをみて楽しんでいたんだ。 」


私はこんなに嫌な思いしているのに、
涙も出ないんだと自分がおかしかった。


「 育望… 」


私に触れようとした、おねぇちゃんに。


「 さわらないでよ。
開智くんと好きなとこへ行けば?
二人の顔なんて見たくない! 」


ずっと一方的にしゃべって、お店に戻った。