パパが帰宅したからママが説明を始めた。


「 今日ね
育望が帰ってきたとたんに私にしがみついて泣き出したの。
子供みたいにね。
育望は何も話してくれなかったけど、
望美が帰ってこないから連絡したら理由がわかったの。 」


「 育望がそんなに泣くって珍しいな、
何があったんだ? 」


「 育望の彼氏いるでしょ?
胡桃くん。
望美とも付き合っているんだって! 」


「 へっ? 」


「 望美は育望の彼氏だって知ってて付き合ってるんだって。言うのよ。 」


「 育望は? 」


「 帰って大泣きしたから、私にしがみついたまま寝てしまったの。 」


「 育望はどうしたいんだろう? 」


「 望美には二人の顔なんて見たくなかった。
と叫んでいたらしいけど…。
二人が今こっちに向かってるわ。 」


「 オレ、先に二人と話がしたいな。
親がでることじゃないけど、オレの娘二人のことだからな。 」


ねたふりをして聞いてたけど、
やっぱり自分の今の気持ち伝えなきゃ。
腫れぼったい目をあけた。


「 パパ、ママ。
私は、もういいよ。
二人が付き合えばいい。
次は私だけをちゃんと見てくれる人を探すわ。
だから、
二人に会いたくない。
言い訳なんて聞きたくない。
自分が惨めに思えるもの。 」


「 わかった。
パパが二人と話をしてくる。
育望の気持ち伝えてくるから。 」


ピンポーン!

パパは一人、
外に出た。
車のエンジン音が聞こえた。