「瑠緒。お前の能力の使い方次第で俺とお前は敵だ。」

いきなりお兄ちゃんが変な発言をした。

私とお兄ちゃんが敵?訳が分からない。

「どうして敵なの?私とお兄ちゃんはれっきとした家族。仲間じゃない。」

「今の言葉をよく考えてみろ。つまり裏をかけば仲間にもなれるって訳だ。ただお前が仲間になる事はまず無いが。」

お兄ちゃんはそう言い張ると、食べ終えた朝食の後片付けを始めた。

何言ってるの?私は仲間になる事はない?

「私はずっとお兄ちゃんの仲間だよ。敵なんてありえないよっ!!」

後姿のお兄ちゃんに大声で叫んだのに、お兄ちゃんは私の話を反らす。

「話はここまで。瑠緒、そろそろ学校だろ?行ってらっしゃい。」

何よ!!反らさなくたっていいじゃない!!

私は少しイライラして制服のあるおにいちゃんの部屋へ入り、勢いよくドアを閉めた。

ベッドに腰を下ろすと時計が目に入った。現在の時刻、7時30分。

ん?7時30分!?!?

「やっばっっ!!早く行かなきゃ遅刻する!!」

いつの間にかそれだけの時間が過ぎていた。ここしかも家じゃないのに・・・。

平日という事を忘れてしまっていたのかもしれない。私は急いで制服に着替え、かばんを持って洋館を出ようとすると、お兄ちゃんが玄関に向かってきた。

「はい。これ弁当。あと話の続き、しょうがないから一言だけ教えてあげる。」

私は弁当を受け取ると、さっき話を反らしたお兄ちゃんが教えてくれるといったので興味津々で聞こうとする。

「お前の能力は殺人を止められる。以上。」