うそ・・・。

4年前に誘拐された兄ちゃんがこんな所にいたなんて・・・

「お兄ちゃん、無事でよかったぁ。ねぇ、一緒に帰ろ?」

私の目には涙が溢れていた。これから楽しい高校生活が送れると思うともっともっと嬉しい感情が込み上げた。

だが、こんな私の思いもお兄ちゃんの言葉であっけなく崩れた。

「俺は家へは帰れないよ。だって殺し屋だぜ。もうお前と遊ぶ事も支えあう事も出来ないんだ。」

「そんなこといいよ。殺し屋だからってお兄ちゃんには変わりないからっ!!」

「じゃあ、父さんやお前も母さんと同じように殺しちゃうよ?」

途端にお兄ちゃんの形相が変わった。

そんな・・・どうしてっっ・・・

するとようやくを食べ終えた千影さんが、私たちの前に来て口を開いた。

「いや~いくら適当に誘拐したからってそんなすごい事が起こるなんてね。まさか兄妹で能力持ちなんて。まぁランウェルは俺が与えたから全部じゃないんだけれど。」

千影さんはにこっと笑って不可解な言葉を残して去っていった。

兄妹で能力持ち・・・・・・!?分けが分からない。

私にも殺し屋の能力があるって事??

「残念だがお前に殺し屋の能力は無い。お前はどうやってここにたどり着いた?その前に起こった事を思い出してみろ。」