「おいしー♪最近ずっとインスタントだったからこんな料理久しぶりに食べた!!」
メニューは、
クリームシチュー
鮭のムニエル
ステーキ
生ハムのサラダ
卵焼き
フランスパン
普通に一般的な家庭料理に過ぎないのだけれど、私には懐かしくいつもの倍以上おいしさを感じられた。
そのとき、なぜか頭の痛みは治まっていた。
目の前の千影さんと言う人を見てはっと我にかえる。
暗闇の洋館の中に豪華なシャンデリアが1つだけで外は真っ暗。
ミミズクやふくろうが大勢で合唱をしている。
そういえば千影さんは兄を誘拐した疑いがある犯人・・・。
こんな洋館、警察は見つけられなかったの?こうなったら私が聞かないと。
「千影さん。聞きたい事があります。」
「なに?どうしたの瑠緒ちゃん。」
ステーキをばくばく食べる千影さん。かっこいいのにはしたない。
「千影さんは兄を誘拐した犯人ですよね?違いますか?」
私はストレートに聞いた。誘拐した事は確かなはずだ。
「うん。そうだけど。」
私の目は一瞬で点になった。だってものすごくあっさり答えたんだよ?!
ここは否認するべきなんじゃないのかよ。
なんか無性に腹が立った。こんなあっさり答えるなんて許せないよ!!
「お兄ちゃんはどこにいるんですか!!私のお兄ちゃんを返して!!」