「ここはね。殺し屋Murder。山奥の洋館を改造して建てたのさ。俺らは依頼人から殺してほしい人を聞き、殺す仕事さ。」


それを聞いたとき身体が固まった。

現実感が無くって、母を殺した医者を想像してしまった。

ていうか今俺らって言ったよね。他の人いない気がするんだけど・・・。

「あぁ他の人かい?そうだなぁ。もう少ししたら帰ってくると思うんだけど。」

「ええ!?今心読んだの?!」

「そうだけど。俺が昔から培ってきたマジック要素でな。」

すごいこの人。人間以上だな。昔マジックやっててできたなら、私にも出来るかもしれない。

お兄ちゃんに教えてもらったマジック。すごく簡単なものだけど、あの時の私は何のことよりも難しく感じられた。その中に優しさがあるって事も。


「ただいまー。」

もう一人の人が帰ってきた。どんな人なのかな?

「おかえり。千影さん。今日は客が来てるよ。」

「おぉー。いらっしゃい。依頼か?」

「ううん。違うよ。その子は俺の妹さ・・・。」


男の人が帰ってきた人物と何を話しているのかは分からなかった。

それどころか私は帰ってきた人物をまじまじと見つめた。