戦争が始まった。

やっぱり、おされている。

人数差の問題か?

でも1人2人ずつ、私が1人で10人くらい相手にすればいいだけの話。

まぁ、大将の首とり合戦だから、坂東1人を目指せばいいだけだし。

右、正面からのパンチ、かわして回し蹴り。

後ろに構えている奴のみぞおちに肘で一撃。

前からの高い蹴りは斜め下に避けて支えている軸足を後ろから膝がカクンとなるように蹴って…

と思ったら別の奴に蹴られてイラっときたから男の急所に蹴りを入れてやる。

前後左右、目の回る勢いで私に殴りかかってくる。

何回かみぞおちに入って、血の味がした。

が、負けらんない!

「莉央さんっ!坂東のところへ!!」

後ろからの攻撃がなくなったと思えば、後ろに2年のトップ、宮下がいた。

「後ろは俺がいるんで、大丈夫っす…!」

「ありがと。」

私はだいぶ楽になって、どんどん前進。

あと5人、4人、3人、2人、1人…

「やっとたどり着いた。」

坂東に向かって私は笑う。

向こうもかすかに笑った。

番長戦だ。

やっぱり、今まで倒した奴らよりよっぽど強い。

でも、私の方が上。

膝を崩して少しよろめいた隙に渾身の右フック。

そして、首裏をカクンとすると、坂東はガクッと倒れた。

「なめんじゃねーよ。」

私は口にたまった血をペッと吐き出した。

…って、今私、すっごい決まってね??

「「ま、参りましたーー!!」」

明海中の奴らは倒れた者はおぶい、一目散に消えていった。