廊下に出ると、弥央がいた。

「もしかして、全部弥央がしてくれたの?」

私が聞くと、弥央は得意げに笑った。

「まーね。生徒会の子たち、見なかったことにできないから報告するって言ってて、じゃあ、全部いいことに変換して伝えよう、ってお願いしたんだ。」

「弥央…!!」

「んで、荷物があるって聞いたから、そのあと、跡地に行って、フードかぶって、莉央を名乗って商品返しに行ったの。」

「あ、頭いい…!!」

あぁ、弥央が神様に見えてきた…。

「でも弥央。あそこ、不良のたまり場なんだかから、危ないよ。もう2人で行かないこと!」

私が真剣に言うと、弥央は笑った。

「もぅ、莉央、かっこよすぎー!!わかったよ。 2人とも、推薦受かるといいねー」



 推薦入試の日がいよいよやってきた。

私、やっぱり弥央の双子だ。

真面目な受け答え、しっかりできる。

晴れて合格しました。

私も、もちろん弥央も。