次の日の朝、ホームルームで

「早乙女、あとで校長室へ行け。校長先生が呼んでいる。」

と、担任に言われた。

あー、早速昨日の話かよ…

とぼとぼと、まだ痛む体で校長室へ向かう。

「失礼しまーす…」

ヤバいなー、高校行けねーかも…

とか思いながら校長の第一声を待っていると、聞こえたのは意外な言葉だった。

「よくやった、早乙女くん。」

「は?」

思わずまぬけな声がでて口をつぐむ。

「あの、なんの話で…?」

私が聞くと、校長はご機嫌で答える。

「どうもこうも、全部弥央くんから聞いたよ。いやわ、最近明海中学校の生徒が悪さをしている、という苦情が相次いでいるらしくてね。聞けば、君たちが体を張って叱ってやってくれたみたいじゃないか。おまけに、向こうが万引きした商品も取り返して、お店に返してくれたらしいじゃないか、君が。店の人たちからお礼状をもらってね、鼻が高いばかりた。礼を言うよ、ありがとう。」

「は、はぁ…」

ダメだ、話についていけない。

「そういえば君、あ朝丘高校を志望しているそうたね。その正義感を見込んで、我が校から推薦することにした。」

え…うそ…!!

「あ、ありがとうございますっっ!!」

私は深く頭を下げた。