『あとは、美紀の代わりにぶん殴ってきてあげるわ。美紀の代わりというか、女の敵としてかな?』



「ふふ…そう。約束ね?」


『お?覚悟決めた?』



立ち上がる私を見て綾は不敵に笑った。


「うん。確かに私らしくもなかったね。サンキュ、綾」



『頑張れ!』



携帯を片手に教室を出た。


着歴から大志君の名前を探す。



かけようとした瞬間、声をかけられた。



「あれ?まだ何か話でもあったの?」



そう…目の前には薫の彼女が息切れして私の前に立っていた。



『はぁっ…あのさ!大志の…元カノ見つけて連絡先聞いて来たの。』



「は?」



『元カノの話も聞けば…大志が言った話、どっちが本当かわかるでしょ?私が聞いておこうかと思ったけど…そこまででしゃばっちゃ悪いかなって…』



「あなた…私の為にそこまでしてくれたの?」


『べ別に?薫が迷惑な発言しちゃってたみたいだし?それに、大志には相談乗ってもらってたし、幸せになってもらいたいから…アンタの為じゃないよっ。』



赤くなって話す薫の彼女。最初はすごい嫌いとか思ってたけど、なんだ…いい子じゃん。


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