講義へ出ても上の空。
大志君の言った話の真実はどっち?


本当の大志君の姿は?














講義を終えて、隣にいた綾がゆっくりと口を開いた。


『ずっと考えていたんだけどさ、あの友達の話を立ち聞きした後でも、美紀が彼を好きな気持ちは変わらなかったんだよね?』


「うん。それがどうかしたの?」


『だったらさ、いつまでも逃げてないで向き合えば?良い人だろうが、そうでなかろうが、関係ない。そういうことでしょ?』


「あ…」


『どんなにいい人が出来てもさ、付き合ってから絶対別れないなんて保障はないわけでしょう?いつまでもうだうだ悩んでないで、気持ちぶつけなさいよ!それでもし、本当にすぐ捨てられちゃった時は私がなんとか面倒みてあげるから。』


「面倒って?」


『ん?慰めたり、新しい出会い提供したり?』


「綾…そんだけ?私、合コンはもう勘弁なんだけど…」


がっくりうなだれてしまった。捨てられちゃったら、どうにかして修復でもしてくれるのかと思ったのに…


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