玄関に鍵を閉め、三段の階段を下りる。

ズルッ―――――――

「っどわッ!」

踏み外し、落ちてしまった。

「いてててて……」

冷たいコンクリートから尻を上げ、じんわりと痛い所を摩る。

「おっ」

キラリと光るコインが落ちているのを見つけた。

それは500円玉だった。

こんな事初めてだ。

今まで一度だって金を拾った事は無かった。

「ラッキー!」

この拾った500で宝くじを買おう。

鼻歌を歌いながら、駅前の宝くじ売り場へと向かう。

「あっ」

本日二度目のお金を拾った。

それは10円玉だった。

しばらく歩くと、また拾った。

ドーナツ型の5円玉。

なんだかよく解らないが、今日の俺は金運が高いらしい…。

「ユニセフ募金をお願いしまーす」

高い声の方に顔を向けると、小学生くらいの男女6人が募金箱を首に下げて立っていた。

俺はその箱に15円を入れた。