エレナは顎に手を当て、深刻な顔で首を傾げた。
「それが…さっきから運の“気”が薄れてきてるのよね……」
「“気”って?」
聞きなれない単語に、今度は俺が首を傾げる。
「ん~…椅子から放たれてる力、人で言うとオーラってとこかな。今の状況を簡単に説明すると、メラメラ燃えてる炎が徐々に小さくなってきてるの」
例えが解りやすく、想像して今の状況を俺でも把握出来た。
「でもなんで…壊れかけてる、とか?」
腕を組んで単純に考えた可能性を口にすると、隣に立つエレナに下から睨まれた。
「何のんきな事言ってんのよ!?私は永遠の命が欲しいから七つの椅子必要なの!」
“永遠の命”それは七つの椅子を集めることで、更なる欲望を満たしてくれる力。
エレナは永遠の命を手に入れる為だけに椅子を集めている。
子供の頃、再放送していたアニメに似ている………。
「じゃぁ炎の灯火が消える前に見つけに行くぞ」
「分かってるわよ!」
エレナは緑色に瞳を輝かせて、俺の前を歩き始めた。