「あ、でも先にホテルにチェックインして荷物を置かないと…」

はぁ…何の為に耳付いてるんだよ、飾りか?

俺の質問に答えが出ないと諦め、俺は苦笑いを浮かべ呆れてエレナの様子を眺めた。

「さぁ、ホテルに急ぐわよっ!自分の足で見て回りたいなんて…やっぱり迎えを断ったのは失敗だったわ」

エレナは空港の近くの大通りでタクシーを捕まえ、荷物をトランクに入れてもらう。

渋滞はしていなかったので、短時間でホテルに到着した。

慌ただしくチェックインし、最上階の部屋に荷物を投げ込む様に置いて、すぐにエレナの言っていたレストランへ向かった。

背の高い男前のフランス人が、日当たりの良い窓際の席へと案内してくれた。

店内は落ち着いた雰囲気のあるお洒落で、そーゆー店に慣れていない俺は少し居心地が悪い。

「あぁ…やっぱり本場のフランスパンは格別だわぁ。焼きたてサイコー!!」

焼きたてのフランスパンにブルーチーズを乗せて、一口食べて再び上がるエレナのテンション。