数日後、大金を手に入れた俺達は13時間の空の旅をしてフランスへとやって来た。
「イン、フランスぅー!!」
いつも大人な雰囲気を纏っていたエレナだったが飛行機を降りた途端、子供の様にはしゃぎ始めた。
「旅行に来たわけじゃないんだからな?!」
とか言ってる俺も表には出さないだけで、心の中は初めてのフランスにテンションは上がり旅行気分だった。
「エレナ、椅子は何処にあんだよ?」
キョロキョロと歩きながら辺りに視線を巡らしているエレナに聞く。
「うわぁ…市場がある~。あっ、こっちは商店街になってるんだァ…あそこに」
ダメだ…全く耳に入ってない。
はしゃぎ過ぎて俺の言葉がブロックされてる。
「おーぃ、エレナ!!」
名前を呼んでも反応しない。
俺はここに居ない存在になっている。
「エレナ!聞けよっ!!」
「へ?あ、あぁ…どこでお昼にするかでしょ?大丈夫、あのレストランにしましょう」
全然ちがうっ!!