「また考え込んでる」

エレナが飲み干したマグカップをテーブルに置きながら、呆れた様に言う。

「竜治は考え込む癖があるよ」

「ごめん、ごめん」

苦笑いを浮かべ謝りながら、膝に乗せていた新聞を再び捲り始めた。

「お、あったあった」

漸く当選結果が載っているページを見つけた。

『一等』と書かれた欄に黄色の瞳を向けると、信じられない結果が書かれていた。

自分の買った、たった一枚の宝くじの数字と見比べる。

「0…7…2!!…6…3…8!!!」

「さすが金の椅子ね」

「当たったっ!!!一等ッ!!ぅぉおーすげぇー!!」

当たった事にも驚いたが、自分のテンションの上がり様にビックリした。

俺はこの時“金の椅子”の力身を持って感じた。

これは信じるしかないだろう。

「さぁ、このお金でフランスに行くわよ!」

俺達は5つ目の“運の椅子”を手に入れるべく、フランスへ向かった。