「えっ…あの、それいつ?」

半信半疑でエレナの話を聞いていた俺は、不安と期待が入り交じる。

「今日」

短い言葉と共に、エレナがバッグから取り出した茶封筒を俺に差し出した。

俺はテーブルの上に置かれた茶封筒を見て、冗談ではないと理解した。

黙っている俺に、不安を感じたのかエレナが俺の顔を覗き込んだ。

「足りなかったら、もっと出すけど…」

「いや、充分…です」

和華菜と別れてから女性と関係を持ったことは無かった。

五万円もの大金を手にして尚且つ、こんなスタイルの良い美人を抱くことが出来る。

エレナが五万円を差し出した事で、俺が疑う事は無くなった。

「じゃぁ…ホテルへ行こうか」

自分の口が勝手に動いて、ハッとした。

今までエレナのペースに乗せられて話を進めていたが、今俺は自分から提案した。

そう…俺はヤる気だった。

俺達はまだ昼間だというのに、ラブホテルへ直行した。