それからも、一緒に帰る2人の姿を見かけた。
幸が言うように、冬哉先輩は、智恵子先輩を溺愛しているようだった。

そんな2人の姿を見て、いつか私にもあんな風に私の事を思ってくれる人が、現れてくれたらいいなと思った。

2人の姿は、私にとって「憧れの姿」だった。

そんな「憧れ」の冬哉先輩に、生徒会の活動で優しく話しかけられたり、作業をする中で、もっと冬哉先輩に優しくされたい、話をしたいと願うようになっていった。

そう願い始めた私にとって、冬哉先輩と智恵子先輩が、仲良く帰る姿は、辛いものになった。

冬哉先輩の横にいるのが、智恵子先輩ではなく私だったらいいのにとさえ思った。

智恵子先輩が羨ましかった。