カフェに着き、息を切らしながら、ドアを開けると晃（こう）がいた。

「今日は、もう終わりにした。」と晃は言った。
「あんた、アイツのカレシなんだろ？」
「守ってやれよ。何してんだよ。」と言った。
そして、「どうせ、女でも抱いてたんだろ？」
「アイツを抱けないから。」と睨んだ。

僕が「ち～は？」と聞くと「休憩室。」と言う。
「兄貴がついてるよ。早く行けよ」と晃は言った。

休憩室に入ると、横たわる智恵子が見えた。
そして、慶さんが、傍に座っていた。

「智恵子ちゃん。ヒドイ怪我してるよ。」と言った。
「今までにない怪我だ。」と言う。
そして、「すぐにでも、医者に行った方がいいと思う。」
「智恵子ちゃんにも、そう言ったんだけどね。」
「迷惑かかるって、そればっかりで、行こうとしないんだよ。」
「なら、せめて、冬哉君に電話した方がいいと言って、電話させたんだ。」と慶さんが説明した。

「ありがとうございます。慶さん。」と僕は言った。
「ねえ、冬哉君。智恵子ちゃんの事を、守れ切れないなら、離れた方がいいよ。」と慶さんは言った。
「きっと、次は、こんな怪我じゃすまないよ。命の問題になる。」と言った。

「慶さん。絶対に守り切ります。」
「ち～は、僕を変えてくれた大切な女なんです。」と言うと「なら、しっかり守ってあげろよ。」と慶さんは言った。