美和が、僕の大事に思ってる場所に行きたい。
また、僕の大事に思ってる人たちに会いたいと言い出した。

普通、つき合っていれば、出てくる要求だった。
でも、僕は、「それはできない」と断った。

大事な場所、大事な人は、1番に大切に思ってる人のみ連れて行く、会わせると決めている。
それは、僕にとって、智恵子だった。

だから、そういう風に僕は美和に告げた。
可哀そうだとは、思ったけれど、仕方がないことだった。

美和は、1番というのは、智恵子のことかと尋ねた。
「そうだ。」と答えた。

隠すことでもない。
初めから、言ってることだ。

美和は「連れて行きたいと思われるように、頑張ります。」と言った。
多分、普通はこれがカワイイと思うのだろう。
でも、僕には、重たかった。
頑張られても、美和に心を動かすことはないとわかっていたから。

そこで、僕は「僕を堕とすのは、難しいよ。」と言った。
美和が、諦めてくれるの願って。

でも、美和は「智恵子先輩にできたなら。」と言い出す。
「智恵子は、僕を堕としてないよ。」
「僕が、勝手に智恵子に堕ちたんだ。」と僕は言った。

美和は、驚いた顔をしていた。