2番目でいいから【完結】

久々の情事なのに

久々の情事だった。
冬哉先輩も忙しかったみたいだし、私も色々と考える時間が欲しかった。
だから、色々と考えた。

でも、離れれば離れるほどに、恋しくなり、やはりどんなに冷たくされても、冬哉先輩が好きと言う結論は、変わらなかった。
だから、この久々の情事は、本当に嬉しかった。

情事が終わり、冬哉先輩が、私の肩を抱きながら、まどろんでいた。
そこに、冬哉先輩の携帯が電話の着信を知らせた。

冬哉先輩が携帯を取り上げ、着信相手を確かめた。
私は、冬哉先輩はまどろみながら、電話をするのだろうと思っていた。
ところが、冬哉先輩は、起き上がった。
そして、私の肩から、冬哉先輩の温もりが、なくなっていった。

「ち～。どうした？」とベッドを下りながら、今まで見た事ない優しい顔と聞いたことない甘い声で話している。
とっさに、智恵子先輩だと思った。
【ち～】って呼んでるんだ。
とたんに、私は、２人の世界から、阻害された人間になったと思った。

「言えって、ち～。どうしたんだ？」
「＿＿＿＿＿＿」
「明日の約束なんて気にするな。」
「そんな事で電話してきたのか？」と冬哉先輩は言っている。

私は、そうだよ。明日の約束の事なんて、メールでいいじゃん。
何で電話してくんの？ってイラついていた。

でも、冬哉先輩は「言いたい事は、そういう事じゃないんだろう？」と優しく言っている。
その姿にも、私はイラツク。

「いいか。すぐに行くから、そこにいろよ。」
「絶対に、動くなよ。」と冬哉先輩は言って電話を切った。