優等生なんて言っても、マンガに出てくるような目にかかる前髪や膝下のスカートなんて現実離れした風貌は持ち合わせていない。

てかスカートそんなに長くないし。

まあ、黒髪ストレートでメガネだけど。

中学の頃から、友達なんていないながらも、いじめの対象にだけはならないようになんとかやり繰りしてきた。

そんな失敗はしちゃいけない。

八方美人な自分がたまに嫌になるけど、学校っていう特殊な組織の中で生き抜いていく手段として認めざるを得ない。

なるべく目立たないように。

それだけを意識して、中学校生活は幕を閉じた。



ふと、自分の机に影がかかる。

見上げると、いかにもおバカっぽい男の子が立っていた。

―――小林 恭介。

あたしの幼なじみ。