「失礼しまぁす…」

中に入ると、あたしの担任になるという女の先生が振り返った。

電話の声から想像していたよりずっと可愛らしい感じだ。

…あたしとは大違い。

大丈夫だった?、なんて先生の呼び掛けにも適当に頷いて、他の子が朝済ませたはずの手続きをする。

と言っても、資料を受け取ってハンコを押すだけ。

簡単なものだ。

すぐに終わらせて、先生と一緒に教室に向かう。

あぁ、緊張してきた。

後ろのドアからなるべく静かに自分の席へと滑り込み、ホッと息をつく。