あたし、上野 雪は、いわゆる優等生ってヤツだ。
そして、ちょっとタイミングが悪くて、ついてない女。
今だって、せっかくの入学式の日に朝から階段で足を滑らせて足首を骨折、入学式参加は断念して、病院にいるのだ。
「あたしって本当に馬鹿。」
一人でブツブツ言いながら、松葉杖を両脇に抱えて病院をあとにする。
入学式から遅刻なんて最悪。
タクシーを拾って、なんとか学校に着いた。
きっとみんなまだ体育館にいるのだろう。
校舎は静まり返っていて、なんだか気持ちがいい。
とりあえず職員室へと向かう。
連絡はしておいた。